Webサイトを運営していると、サーバーやシステムの説明に「PHP〇〇対応」「PHPのサポート期限」などの言葉が出てくることがあります。
しかし、「PHPってそもそも何?」「サポート期限が切れたらどうなるの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、PHPのバージョン保証期間とサポート内容について、専門知識がなくても理解できるようにわかりやすく解説します。
PHPとは何か?
PHP(ピーエイチピー)は、WordPressをはじめ多くのWebサイトやシステムで使われているプログラミング言語です。
「ホームページの動きを作る裏側の仕組み」と考えるとイメージしやすいでしょう。
例えば、
- 問い合わせフォームからメールが届く
- ログイン機能が動く
- 商品カートに追加できる
こうした機能の多くは、PHPによって動いています。
バージョン保証期間とは?
PHPは、スマホやWindowsのように定期的に新しいバージョンが出るソフトウェアです。
各バージョンには「保証期間(サポート期間)」が決められており、その間だけ下記の対応が提供されます。
- セキュリティ修正
→ 見つかった不具合やウイルスの原因になる穴をふさぐ - バグ修正
→ 正しく動かない部分を直す
この保証期間を過ぎると、問題が見つかっても修正されなくなるため、セキュリティ上のリスクが高まるのです。
PHPのサポート期間の目安
一般的に、PHPの各バージョンは以下のようにサポートされます。
- リリースから約2年間:バグ修正とセキュリティ修正が提供される
- その後1年間:セキュリティ修正のみ提供される
- 合計3年程度でサポート終了
例えば:
- PHP 8.1 → 2021年11月リリース
- 2023年11月まで:バグ修正+セキュリティ修正
- 2024年11月まで:セキュリティ修正のみ
- 2024年11月以降:サポート終了
サポートが切れたらどうなる?
サポートが切れたPHPを使い続けると、次のようなリスクがあります。
- ウイルスや不正アクセスの被害に遭いやすくなる
- サイトの一部機能が動かなくなる
- サーバー会社が「古いPHPは使えません」と強制的に切り替える場合もある
つまり、古いまま放置するとサイト停止のリスクがあるのです。
どう対応すればいい?
サポートが切れる前に、以下の対応をするのがおすすめです。
- 最新のPHPバージョンへアップデート
→ サーバー管理画面や制作会社に依頼すれば切り替え可能 - サイトやプラグインの動作確認
→ WordPressなどを使っている場合は、古いテーマやプラグインが動かなくなる可能性があるため、更新チェックが必要 - 制作会社やサーバー会社に相談
→ 自分で対応できない場合は専門業者に任せるのが安心
まとめ|PHPの保証期間を知って安心してサイト運営を
- PHPはWebサイトを動かす裏方の仕組み
- 各バージョンには約3年のサポート期間がある
- サポート切れのまま放置するとセキュリティリスクが高まる
- 定期的にアップデートや確認をすることが大切
「サイトは公開したら終わり」ではなく、安全に使い続けるためのメンテナンスが必要ということを覚えておくと安心です。
以下に、最新(2025年9月時点)でサポート中のPHPバージョン一覧表を示します。
初心者向けに「どのバージョンがいつまでサポートされるか」「現状どういう状態か」が分かるように整理しました。
現在サポート中のPHPバージョン 一覧
PHPバージョン | リリース日 | 活発サポート期間(新機能+バグ修正あり) | セキュリティのみサポート期間 | サポート終了予定(サポート切れ) |
---|---|---|---|---|
PHP 8.3 | 2023年11月23日 php.net+2PHP.Watch+2 | リリースから 約1年(2023年11〜) php.net+1 | 2025年12月31日まで endoflife.date+2zend.com+2 | 2027年12月31日まで endoflife.date+2zend.com+2 |
PHP 8.2 | 2022年12月8日 php.net+2PHP.Watch+2 | 活発サポート終了済み(現在は “セキュリティのみ” の段階) php.net+2endoflife.date+2 | 2024年末まで活発サポートがあったが、その後はセキュリティのみ対応中 php.net+2endoflife.date+2 | サポート終了予定 2026年12月31日(セキュリティのみの期間含めて) endoflife.date+1 |
PHP 8.1 | 2021年11月25日 php.net+1 | 活発サポートは 2023年11月まで(リリースから約2年) php.net+1 | 現在はセキュリティ修正のみの状態 php.net+2elio Portal+2 | サポート終了予定 2025年12月31日 endoflife.date+1 |
用語・見方のポイント
- 活発サポート期間(Active Support)
→ 新しいバグ修正・機能改善・セキュリティ対応などが「完全に」提供される期間。 - セキュリティのみサポート期間(Security Support)
→ 新機能の追加や通常のバグ修正はほとんど行われず、「安全性を保つための重大な問題だけ」を修正する期間。 - サポート終了(End of Life:EOL)
→ そのバージョンに対してPHP公式でのサポートが完全に停止する。
→ セキュリティ修正も行われなくなり、使い続けるのはリスクが高くなる。
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